プロフィール
ヒット商品応援団
「人力経営」という本を書きました。ヒット商品の裏に潜んでいる「人」がテーマです。取材先はダスキン、エゴイスト、野の葡萄、叶匠寿庵、桑野造船の経営リーダー。ユニーク、常識はずれ、そこまでやるのか、とにかく面白い経営です。星雲社刊、735円、新書判。
インフォメーション
アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 16人

スポンサーリンク

上記の広告は、30日以上更新がないブログに表示されています。
新たに記事を投稿することで、広告を消すことができます。  

Posted by だてBLOG運営事務局 at

2007年01月14日

生きてる感じづくり 

 ヒット商品応援団日記No131(毎週2回更新)  2007.1.14.

暗いニュースばかりの年初めであったが、2007年は「生」という生命力溢れるものへの支持が高まると書いた。例えば、ローカルニュースだけのようだが、「猫の駅長さん」という微笑ましく、癒されるニュースがyoutubeに出ていた。(http://www.youtube.com/watch?v=-Xf2LAFdbMI)和歌山電鉄貴志川線の再生に一役かった三毛猫「たま」の駅長就任である。チョット笑える、癒される、そんなお話の「生きてる感じ」のする、理屈っぽく言うと「感応力」を刺激してくれるニュースだ。こうした暗く、不安の時代には日常の中の身近な「小」がキーワードになる。小動物、小さな植物、小さな自然、小さな季節、小さな出来事、チョットうれしい、そんな「小」がテーマとなる。

以前、東京都の小中学校の校庭の芝生化についてふれたが、今年度から本格的に始まるようだ。既に44校が芝生になっているが、10年で2000校全ての校庭が芝生になる計画と聞いている。都市におけるヒートアイランド現象の緩和や子供達の運動能力の向上など多くの期待がこめられている。間接的とは思うが、不眠症やいじめなんかにも効果が出てくると思う。子供達一人ひとりに「生きてる感じ」を取り戻すことができると思う計画だ。しかし、よくよく考えれば、少し前までは東京でも至る所が野原であった。そこには季節の自然もあり、喧嘩もしたし、怪我もし、遊びもした、いわば学習の場であった。ある意味、「生きる学習」の場であった。アスファルトで覆われた校庭だけでなく、不必要なダムや道路のコンクリートなどを壊し、調和のある「快適さ」が求められていく。その快適さの本質には「生きてる感じ」があると思う。以前、「心のデドックス」というテーマで書いたことがあるが、まさにこころも身体も浄化してくれる方法の一つだ。

想像力の欠如、摩耗した感受性・感応力、こういった言葉を私は取り戻すべきものとして挙げてきた。日常の言葉で言えば「生きてる感じ」となるが、人によっては様々だと思う。帰宅して幼い子供の寝顔を見て、そう感じる人もいれば、青春フィードバックではないが、子供の頃を追想しながら感じる団塊世代もいる。何かに熱中、夢中になっている時に感じるという人もいる。つまり、感じる「時」づくり、あるいは「テーマ」「場」づくりがマーケティングの目標となる。今はまだ寒いが、2月に入れば春の息吹がそこここに出てくる。商品や売り場、スタッフのユニフォームに生命感が感じられるようなマーケティングを行うということだ。自然時という季節をうまく活用した小さなテーマ売り出しとして、「生きてる感じ」をどう創り、伝えていくかである。その時、「猫の駅長さん」ではないが、チョット笑える、そんなセンスが必要な時代だ。(続く)  


Posted by ヒット商品応援団 at 13:35Comments(0)新市場創造