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ヒット商品応援団
「人力経営」という本を書きました。ヒット商品の裏に潜んでいる「人」がテーマです。取材先はダスキン、エゴイスト、野の葡萄、叶匠寿庵、桑野造船の経営リーダー。ユニーク、常識はずれ、そこまでやるのか、とにかく面白い経営です。星雲社刊、735円、新書判。
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2007年11月07日

コトを起こす人達 

ヒット商品応援団日記No217(毎週2回更新)  2007.11.7.

先々週、好きな沖縄に行き素敵な人と出会い、体験したことを書きたかったのだが、バタバタしてしまいとうとう今日になってしまった。今回、沖縄に出かけるには小さな目的があった。それはこのブログを通じて、会いたいなと思った一人のミュージシャン、一人のコト起こし人物と直接会いたかったからである。

私が沖縄を好きになったのは、日常の中に経験したことのない生活文化が今なお残っていたことに驚かされたことによる。今から10年近く前、それまで20回以上、仕事やリゾートで訪れてはいたが、そのほとんどがリゾートホテルと観光施設を結ぶだけであった。一人旅で沖縄を歩いた時、那覇の市場本通りの奥に、段ボール箱に沖縄産のパイナップルや野菜を並べて売っているおばあとお客との会話に驚かされた。何を話しているのかまるで分からない。米国であれば少しは分かるが、そうした世界とは全く異なる次元の世界に来ているような感を受けた。その時から、青い海や誰でもが一度は行く観光コースから離れて、横丁、路地裏へと足を向けるようになった。

会いに行ったミュージシャンはMr,スティービー(http://stevie.ti-da.net/)こと喜納高宏さんだ。週末南城市佐敷にある小さなライブハウスに出ているので是非聞きに来て欲しいとのことであった。手を伸ばせば触れられるような数坪のライブハウスである。沖縄にはこうした小さなライブハウスが無数にあり、音楽は日常生活のなかにしっかり根付いている。構えたものでなく、普段着で聞きにくる、そんなライブである。会いたいとメールを出したきっかけは、KOZA(沖縄市)にミュージックタウンを創り、新しく音楽観光を広げていこうということに興味をもったからであった。その中心メンバーの一人がMr,スティービーであった。京都の友人である新聞記者は、京都も今や寺社仏閣の観光から、路地裏の生活文化観光へと変わって来たと言う。沖縄もリゾートホテルときれいな海といった観光から、生活の臭いがする音楽観光へと広がるであろうとの期待から会いにいったのである。

話に夢中になりライブのスタートを遅らせてしまったが、それはMr,スティービーの「投げ銭ライブをやるんですよ」という一言に強く惹かれたからであった。「福沢諭吉なんかに出会うともう最高です」と、スティービーワンダーのようにドーランで黒くぬった顔はとても明るかった。コト起こしの原点は「投げ銭ライブ」にあるということだ。翌日、本当は夜のKOZAを歩きたかったのだが、既に予定が入っており昼のKOZAを20年ぶりに歩いてみた。コザミュージックタウンは嘉手納基地から伸びたゲート通りのゴヤ十字路の角にあった。3階では中学生達が練習をしており、しっかり根付き始めているなと思った。しかし、3層の建物にはどこにでもある音楽とはまるで関係のない飲食店などが入っており、テーマ集積が難しかったのだろうなと感じた。ゲート通りを挟んだ反対側には、今の沖縄、地方を象徴しているかのように、まるで死んでいるかのような一番街という大きな商店街がある。しかし、こうした中から、音楽好きが集まり、コトを起こし始めたということだ。(続く)  


Posted by ヒット商品応援団 at 13:53Comments(0)新市場創造