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ヒット商品応援団
「人力経営」という本を書きました。ヒット商品の裏に潜んでいる「人」がテーマです。取材先はダスキン、エゴイスト、野の葡萄、叶匠寿庵、桑野造船の経営リーダー。ユニーク、常識はずれ、そこまでやるのか、とにかく面白い経営です。星雲社刊、735円、新書判。
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2006年11月12日

こころのデドックス 

ヒット商品応援団日記No115(毎週2回更新)  2006.11.12.

今、都市の女性たちに人気なのがデドックス(体内解毒、体内浄化)という健康法である。便秘解消、血行促進、今キーワードとなっているメタボリック症候群の改善、アンチエイジング効果、・・・・こうした多くの言葉で表現されているが、つまるところ身体のもつ生命活動を活性化させるもので、エステから始まり、足浴、岩盤浴、デドックス体操、デドックス料理、サプリメント、お茶等多くの商品やサービスが一斉にデドックス効果を掲げている。TV番組「あるある大辞典」や雑誌の特集にも登場していることもあり、旧来ある商品やサービスも一斉にデドックスというキーワードに飛びついている。ここでも情報は情報に連鎖しており、古くは寒天ブームやコエンザイムQテンブームと同様の結果となる。一過性のブームは、更にそのスピードを上げ、最早瞬間的に売れ、そして終わる。どこか株式市場のデートレーダーに似ており、瞬間的に売り抜けないと在庫の山や投資回収が難しくなる。そんなブームとして見ていくのが妥当である。

身体もさることながら、実はこころのデドックスが求められ新たな市場が生まれる。書店では相変わらずスピリッチャル本が売れており、私が売れるであろうとブログでも書いた「えんぴつで奥の細道」も今なお同様に売れている。年頭のブログでも書いたように、多様な価値観が衝突するとは現場での話であり、ストレスはますます大きくなっている。大人社会ばかりか、子供社会にまで及んでいることは周知の通りである。西欧社会にはキリスト教というこころの拠り所があり、価値尺度がある。しかし、日本の場合は「なんでもあり」「やったもん勝ち」といった言葉が毎日のようにニュースになっているのは何故だろうか。唯一の拠り所である家族は既に崩壊しており、会社といえば個人単位の契約労働という競争社会が待ち受けており、居場所がないのは子供ばかりか大人も一緒である。都市の女性マーケットの特徴を「ひとりリッチ市場」と呼んでいるが、経済的自由はあっても、こころはリッチではない。女性だけが結婚しない訳ではなく、男も同様で個人化は更に進行していく。
ミーギフト市場(頑張った私にご褒美)や自己投資(防衛)市場はこれからも伸びていくと思う。メンズエステやメンズジュエリーも売れるであろうし、女性の場合はもっと激しく、ホストクラブフリークなども出てくる。

日本の場合はこころの拠り所がないと書いたが、おそらくあるとすれば仏教の世界、禅宗の世界の周辺にこころの拠り所を求めていくと思う。和ブームの先に、禅寺で座禅をくんだり、精進料理が注目されたり、茶道にも、華道にも新たな精神世界として注目があつまる。OLD NEW温故知新である。少し着眼がはなれるが、和歌や俳句も静かなブームとなるだろう。また、いやな話であるが、オーム真理教のような大きなカルト集団は出てこないであろうが、無数の小さな創始教が水面下に生まれてくる。
こころのデドックス、こころを解き放してくれるものは何か、禅のような日本の精神世界が再注目される。おそらくもう一つは自然と遊び、学ぶ体験からだと思う。例えば、お金を払って農業の手伝いをさせてもらい、旬の農家料理を食べ、そして収穫された農作物をお土産にいただく。勿論、漁業も同様である。また、子供たちへの社会体験で注目されたキッザニアのように、自然体験をテーマに地域のコミュニティの協力を得てつくるプログラムが出てくると思う。紅葉という自然を観察したり、どんぐりなどの木の実を集めたり、それらを使って遊んだり。こうした季節との遊びをコミュニティ事業として考えていく時代になる。(続く)  


Posted by ヒット商品応援団 at 13:43Comments(0)新市場創造