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「人力経営」という本を書きました。ヒット商品の裏に潜んでいる「人」がテーマです。取材先はダスキン、エゴイスト、野の葡萄、叶匠寿庵、桑野造船の経営リーダー。ユニーク、常識はずれ、そこまでやるのか、とにかく面白い経営です。星雲社刊、735円、新書判。
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2007年09月26日

劇場型政治の後 

ヒット商品応援団日記No205(毎週2回更新)  2007.9.26.

福田VS麻生の自民党総裁選挙を経て、やっと福田政権が誕生した。私はこのブログにおいて、小泉純一郎という希有な役者による劇場型コミュニケーションを終え、日常的身じかなリアルコミュニケーションへと転換し、サプライズ手法は既に終えた、と一年前に書いた。過剰な刺激から、穏やかな安定への変化と言っても良いと思う。結果、組閣内容を含めまさにその通りとなった。組閣内容を評し、「サプライズがないのがサプライズ」と報じられた通りである。

そして、衆院・参院のねじれ国会を踏まえ、福田総理は民主党とは政策を間に、対話と協調をもって解決していきたいとコメントした。ビジネス視点で今回の政治の推移を見ていくと、小泉ー安倍という6年半に及ぶ内閣は、ある意味数という力でねじ伏せる競争、戦う戦略を取って来た。ダントツシェアーを持って、流通を支配し、プライスリーダーとなり、利益を得る経営戦略と同じである。ところが、顧客はこうしたブランド商品を買わずに、異なる品質の商品を買い始め、そのシェアーが逆転しつつある情況になったという訳である。商品の品質に対する偽装あるいは劣化である、「政治と金」「年金問題」といった問題に対し、生活者の多くはNOという答えを出したということだ。

さて、福田政権はどんな戦略を取るのだろうか。まだ、全容は明らかにはなっていないが、民主党と対話と協調をもって対応したいとコメントしている。つまり、異なる機能を持つ競合商品と同じような機能の類似商品を同じ市場に導入する戦略と同じである。政治用語でいうと、民主党案の丸飲み、歩み寄りということになるのだろうが、生活者にとっては、その小さな機能の違いは分からない。こうした類似戦略は、トップシェアーのブランドがその座を滑り落ちる際によく使う戦術である。おそらく臨時国会中の対応戦術であり、来年春には新商品をもってシェアー奪回をはかるのだろうが、場合によってはよりシェアーを落としかねない。通常の類似競争ビジネスの場合は、ブランド力もしくは価格の違いが雌雄を決することとなる。

実は今回の参院選挙で明確になったことは、組織力によるブランドは解体され、力を失い、無党派と言われて来た個人が候補者個人を評価するという選挙結果となった。つまり、個人という多様さを各政党は把握し切れていないという情況だ。勿論、差別化戦略を取る民主党も例外ではなく、類似あるいは曖昧なままコトを進めた場合、提案内容次第では自民党と同様となる。同じような商品ばかりであると、価格が安い方を選択するし、せざるを得ない。そうした意味でも国民から新、真、芯、という信が問われている。そのためにも、劇場型政治は終わったが、あいまいなままの構造改革という商品のきちっとした評価、見直しが必要となっている。(続く)

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Posted by ヒット商品応援団 at 13:29│Comments(0)新市場創造
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