2007年05月09日
物語を贈る母の日ギフト
ヒット商品応援団日記No165(毎週2回更新) 2007.5.9.
今年の「母の日」は5月13日とのことだが、百貨店を中心としたギフトの考え方が「時間」や「出来事」を贈る方向にあるようだ。既に、流通においてはモノ消費から時間消費に進化している生活者を把握しており、ここ1〜2年の商業施設のリニューアルや新規オープンは全て「どのような時間を消費してもらうか」あるいは「その時間をどんなコトとするのか」というテーマに基づいたものであった。東京ミッドタウンや新丸ビルのキーワードは「上質な大人の時間」である。今は観光客ばかりであるが、時間経過と共にキーワードのような上質=世界都市トップクラスのモノを、大人の時間=落ち着いた時間として提供する、といった施設になるであろう。同じデベロッパーであるが、昨年オープンしたららぽーと豊洲は、石川島播磨重工のドッグ跡地ということから「海浜都市リゾート」というコンセプトである。いわば、銀座までわずか数駅という都市にあるウイークエンドリゾートといった時間を提案するSCである。
こうした時間消費時代のギフトは母の日であれば、「母と私」との関係、「母と私」との時間をどう贈るのかといった物語づくりとなる。例えば、健康と美容はどの女性にとっても興味のあることだ。今流行のエステやスパ付きホテル宿泊券を贈ると共に、ヘルシーな食事を一緒にするといったギフトになる。団塊世代の母親であれば、懐かしのOldiesやJpopのコンサートチケットなんかも素敵な「青春ギフト」となる。今、NTTドコモやauが母の日/父の日ギフトに携帯を贈ろうとキャンペーンを展開中であるが、今ひとつ「母と私」との関係、「母と私」との時間をどう贈るのかといった物語づくりが見えてこない。
日本人はトレンドと共にプレミアム好きである。「特別」あるいは「あなただけ」というプレミアムギフトである。一般店頭にあるプロパー商品をパッケージしギフトにしてもそこに作られる物語は限界がある。一工夫、プラスαを加えることによって、素敵なギフトに変身する。その物語着眼が「母と私」との関係、「母と私」との時間である。古くて恐縮であるが、子供の頃「肩たたき10分券」等を作ってプレゼントした記憶があるが、そうした自ら行う手作りギフトの方が、今という時代にふさわしい。ただ、大人になるとどこか気恥ずかしさがあって、そんな風にはいかないが、サントリーオールドのCM(父と娘)ではないが、他愛も無い時間を過ごすのも素敵なギフトとなる。モノが過剰な時代には、この時あなただけといった「手作り」が重要になる。
どんな「時間」の過ごし方、楽しみ方をするのか、そうした時間物語の創造がビジネスの成否を分けることとなる。団塊世代の両親を持つ人であれば、その物語着眼は「青春フィードバック」がふさわしい。つまり、「少女物語」となり、今上映されている映画「東京タワー」のチケットでも良いし、もう少し勉強したい母親であれば、社会人大学や放送大学なんかも素敵な物語になる。同じ旅行を贈るのでも、「青春18切符」なんかの方が良い。つまり、「物語ギフト」とは、個人化が進行する社会にあって、その物語を間に会話がなされることが目的である。顧客一人ひとりが物語表現者、作家になったということだ。流通はどんな物語を作れば良いか、そのヒントやアイディアをサービスすることによって、結果物やサービスが買われていく。極論ではあるが、物語が素敵であればどんなモノでもサービスでもギフトになる。(続く)
今年の「母の日」は5月13日とのことだが、百貨店を中心としたギフトの考え方が「時間」や「出来事」を贈る方向にあるようだ。既に、流通においてはモノ消費から時間消費に進化している生活者を把握しており、ここ1〜2年の商業施設のリニューアルや新規オープンは全て「どのような時間を消費してもらうか」あるいは「その時間をどんなコトとするのか」というテーマに基づいたものであった。東京ミッドタウンや新丸ビルのキーワードは「上質な大人の時間」である。今は観光客ばかりであるが、時間経過と共にキーワードのような上質=世界都市トップクラスのモノを、大人の時間=落ち着いた時間として提供する、といった施設になるであろう。同じデベロッパーであるが、昨年オープンしたららぽーと豊洲は、石川島播磨重工のドッグ跡地ということから「海浜都市リゾート」というコンセプトである。いわば、銀座までわずか数駅という都市にあるウイークエンドリゾートといった時間を提案するSCである。
こうした時間消費時代のギフトは母の日であれば、「母と私」との関係、「母と私」との時間をどう贈るのかといった物語づくりとなる。例えば、健康と美容はどの女性にとっても興味のあることだ。今流行のエステやスパ付きホテル宿泊券を贈ると共に、ヘルシーな食事を一緒にするといったギフトになる。団塊世代の母親であれば、懐かしのOldiesやJpopのコンサートチケットなんかも素敵な「青春ギフト」となる。今、NTTドコモやauが母の日/父の日ギフトに携帯を贈ろうとキャンペーンを展開中であるが、今ひとつ「母と私」との関係、「母と私」との時間をどう贈るのかといった物語づくりが見えてこない。
日本人はトレンドと共にプレミアム好きである。「特別」あるいは「あなただけ」というプレミアムギフトである。一般店頭にあるプロパー商品をパッケージしギフトにしてもそこに作られる物語は限界がある。一工夫、プラスαを加えることによって、素敵なギフトに変身する。その物語着眼が「母と私」との関係、「母と私」との時間である。古くて恐縮であるが、子供の頃「肩たたき10分券」等を作ってプレゼントした記憶があるが、そうした自ら行う手作りギフトの方が、今という時代にふさわしい。ただ、大人になるとどこか気恥ずかしさがあって、そんな風にはいかないが、サントリーオールドのCM(父と娘)ではないが、他愛も無い時間を過ごすのも素敵なギフトとなる。モノが過剰な時代には、この時あなただけといった「手作り」が重要になる。
どんな「時間」の過ごし方、楽しみ方をするのか、そうした時間物語の創造がビジネスの成否を分けることとなる。団塊世代の両親を持つ人であれば、その物語着眼は「青春フィードバック」がふさわしい。つまり、「少女物語」となり、今上映されている映画「東京タワー」のチケットでも良いし、もう少し勉強したい母親であれば、社会人大学や放送大学なんかも素敵な物語になる。同じ旅行を贈るのでも、「青春18切符」なんかの方が良い。つまり、「物語ギフト」とは、個人化が進行する社会にあって、その物語を間に会話がなされることが目的である。顧客一人ひとりが物語表現者、作家になったということだ。流通はどんな物語を作れば良いか、そのヒントやアイディアをサービスすることによって、結果物やサービスが買われていく。極論ではあるが、物語が素敵であればどんなモノでもサービスでもギフトになる。(続く)
失われた30年nの意味
マーケティングノート(2)後半
マーケティングノート(2)前半
2023年ヒット商品版付を読み解く
マーケティングの旅(1) 「旅の始まり」後半
マーケティングの旅(1) 「旅の始まり」前半
マーケティングノート(2)後半
マーケティングノート(2)前半
2023年ヒット商品版付を読み解く
マーケティングの旅(1) 「旅の始まり」後半
マーケティングの旅(1) 「旅の始まり」前半
Posted by ヒット商品応援団 at 13:16│Comments(0)
│新市場創造